2025年7月6日日曜日

今日の軸:「星河清涼風」

 「星河清涼風(せいが りょうふう きよし/せいか せいりょうのかぜ)」


七夕の時期によく使われます。
「星河」とは、天の川・銀河のことです。
「天の川を眺めていたら、涼風が吹いてきた。(身も心も清らかな気分になった。)」ということでしょう。

一応、禅語と言われますが、原典は見つかりませんでした。ただ、中国4000年の歴史ですから、どこかの書物にこの言葉があるのかもしれません。

茶の湯でのおもてなしは茶事に集約されます。
茶事とは、単にお茶を飲むだけでなく、亭主と客の心の交流を深めることを目的としています。ある一定の形式で進められるものです。儀式という人もいますが、宗教色があるわけでもなく、堅苦しいものでもありませんが、茶の湯の世界を知らないと、戸惑うことにはなるでしょう。
お客をもてなすための茶事では、テーマを決めて軸の言葉を選んだり、道具を取り揃えたりします。テーマとして、お正客の還暦をお祝いする茶事など、お呼びした正客絡みのものもありますが、気の置けない仲間を招待するときには、季節的なものや年中行事を選んだりもします。

七夕は、実は日本の伝統的な行事『五節句』の一つです。
五節句は、中国から伝わった風習をもとに、日本独自の文化と結びつき宮中の年中行事になり、庶民にも広がり発展してきました。
・人日(じんじつ)1月7日 七草の節句 七草粥を食べて無病息災を祈る
・上巳(じょうし)3月3日 桃の節句(ひな祭り) 女の子の成長と健康を願う
・端午(たんご) 5月5日 菖蒲の節句(こどもの日) 男の子の健やかな成長を祝う
・七夕(しちせき)7月7日 星祭り 織姫と彦星の伝説にちなみ、願いごとを書く
・重陽(ちょうよう)9月9日 菊の節句 長寿や厄除けを願う

それぞれ季節の節目として『節句』という言葉が用いられています。
かくして、恰好の茶事のテーマとして使われることも多いです。
で、いまの時期は、『七夕』というわけです。

五節句については、そのうち、解説しますね。

さて、たびたび「茶事」の言葉を聞くことも出てきました。なんなんだろう、経験してみたいなあ、と思い出していることと思います。(そうであってほしい…)
薄茶と濃茶の平点前ができるようになって、炭手前が理解できるようになったら…ね。
(2025.7.5 談)



今日の軸:「星河清涼風」