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2025年12月21日日曜日

茶の湯歳時記:12月「事始」

 12月「事始(ことはじめ)」

何かと気ぜわしい年の瀬です。
そんな中で、茶の湯を楽しむ心のゆとりが欲しいものですが、なかなかそうはいきません。
なおかつ、東京という経済の中心にいて、世間の新しい流れに乗り遅れずに泳いでいくには、日本の良き伝統を保ちつつ、という観点をどうしても、後に回しがちです。

今回は、東京地方よりも伝統をずっと継承している京阪地方での行事を紹介します。茶の湯では、伝統の行事にあわせた趣向を好み、それが『茶の湯歳時記』となっているものも多々あるからです。

【事始(ことはじめ)】
12月13日を事始めとして、正月の準備に取りかかります。また、商家や花柳界では、出入りの人々が改まって主家に鏡餅を持参し、一年間の恩恵に感謝を表します。また、芸能方面では、弟子や社中は、師匠の家に出向き、お世話になったことへの感謝と新年の挨拶をかわします。贈られた鏡餅は、床の間の雛壇に飾って祝い、三種肴で一献を酌む…
ニュースなどでも時々とりあげられる京都地方の行事です。
ちなみに、12月12日を「事納(ことおさめ)」といいます。つまり、事始以降は一年が始まっているということになります。
事始が12月13日になったのは、陰陽学からこの数を陽の極とするから、だそうです。

【除夜釜】
大晦日に「釜をかける(茶会を催すこと)」のは、茶人の極みです。時間としては、夕食後から日付の変わる前後まで。一年の水の恩を送るため、と言われています。最後に炉に残った火を埋火(うずみび)として、丁寧に灰をかけ、助炭をかけて、元旦の下火にします。火を絶やさず、つぎの年に火を繋ぐ大切な行事でもあるのですが…

知識として、知っておくのが精一杯ですね。

(2025.12.21 記)




2025年12月20日土曜日

茶の湯歳時記:11月「炉開き」

11月「炉開き(開炉)」

11月は、よく『茶の湯のお正月』とも言われ、茶の湯の世界では、冬の季節が始まります。
炉が開かれ、露地には、青々とした敷松葉が敷き詰められ、垣根も青竹となり、席中では畳替えが行われ、障子も張り替えられ、真新しい雰囲気に、心楽しい月と言えます。


【開炉】
11月の朔日や立冬、あるいは、古風な茶人は、旧の十月の中の亥の日に、炉を開け、お祝いいたします。
利休居士は「柚の色づくを見て囲炉裏に」とおっしゃったと言われており、別に日が決まっているわけではありません。
開炉のときには、道具として『三部(さんべ)」を用いると言われています。三部とは、織部(おりべ)、伊部(いんべ)、瓢(ふくべ)のことで、織部焼の香合、伊部(備前焼)の水指、瓢(ひょうたん)の炭斗、というような道具を取り合わせてお茶事をすることが多いです。


【主菓子】
 
亥の子餅(いのこもち)や、裏千家では「善哉(ぜんざい)」など、体を温める縁起の良いお菓子が出されます。
むかし、亥の子の祝といって陰暦十月上(かみ)の亥の日の亥の刻に、餅を食べると万病を除く、とか、猪の多産にあやかって子孫繁栄を願う、という行事があり、それにあやかったのが亥の子餅です。


【茶花】
炉の季節の花は、椿が代表的です。椿の種類は百数十種もあるということです。外国でも好まれて、品種改良が進み、大きな花のものも出ていますが、茶花には、古来よりの小さめの花が好まれます。特に、裏千家では、白色のものが好まれています。
11月は他にもいろいろな茶趣がありますが、いずれまた。

(2025.12.20 記)





茶の湯で使う扇子の意味