2024年12月20日金曜日

今日の茶花から:椿と山茶花(植物学的・雑学)

 【椿(ツバキ)と山茶花(サザンカ)の違い】

両方ともツバキ科の常緑樹。

1.椿(ツバキ)
開花時期: 冬から春(1月から4月)
花の特徴: 花は大きく、色は赤、ピンク、白など。花は全体が一気に落ちることが多い。
葉の特徴: 葉は山茶花より大きい。厚くて光沢がある。縁は滑らか。
樹形: 高さは5~10メートル。

2.山茶花(サザンカ)
開花時期: 秋から冬(10月から12月)
花の特徴: 椿よりやや小さい。色は野生種は白、園芸種には赤、ピング、白。
     花びらが一枚一枚散る
葉の特徴: 葉は椿よりやや薄く、縁にギザギザがある。光沢はあり。椿ほど厚くはない。
樹形: 高さは3~5メートル程度で、椿よりも低い。

【雑学いろいろ】

① ツバキ科は東アジア~東南アジア、ヒマラヤに自生。自生の種類は100~200種類。
② 日本に自生しているものも多い。サザンカもその一つ。
③ お茶の木もツバキ科。
④ 和名の「つばき」は、古事記や万葉集にすでに出てくる。
  『古事記』では「都婆岐」、『万葉集』には「都婆吉」「都婆伎」
⑤ 中国から渡ってきた。江戸時代には人気が出て、上流階級に愛される。
⑥ 19世紀にはヨーロッパでブームになった。
  ヴェルディのオペラ『椿姫』、ココ・シャネルのモチーフなど。
⑦ ツバキの学名はCamellia japonica。
  Camelliaの名前をつけたのは、18世紀のスウェーデンの植物学者 Carl Linnaeus。
  Camelliaはアジアの植物に詳しかった17世紀のチェコの宣教師G.J.Camellにちなむ。
  Camellには江戸時代に日本に来た宣教師がツバキの種をCamellに送ったことから。
⑧ 最近のツバキの園芸種は、花がどんどん大きくなっている。
  サクラツバキは10cmにもなるという。
⑨ 寒椿(カンツバキ)と呼ばれるサザンカもある!
⑩ 椿餅は、『餡を道明寺粉でつつんだもの』を2枚の椿の葉ではさんだ2月ころの和菓子。
  椿餅の原型は、源氏物語「若菜上」にも出てくるとか。

(2024.12.5、12.19 談)


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